終わってから「やってたんだぁ〜」と気づいたり
エキシビションしか観られなかったりってことが多い
フィギアスケートのNHK杯を、今回は
金〜日、全部観ることができました。
土曜の男子ショートプログラムと女子フリーは
録画しておいて、今日、男子フリー、エキシビションと
併せて観たので、なんだか今日は頭がフィギアスケートです
(ちなみに私自身は10代のころ、数度スケートリンクに
連れてかれたことがありますが、まともに立つことすら出来ません)。
初出場初優勝の日本人二人、織田信成選手と中野友加里選手、
爽やかでしたねえ。
男子シングルのほうは、
織田選手のやわらかでキビキビした演技に魅了されつつ、
直前に滑ったアメリカのライザチェク選手の、
ノーミスの素晴らしいフリー演技が印象的だったもので
織田選手の一位が決まったとき、私自身は一瞬
「へ、そなの?」だったんですけど、
まあ、その直後の織田選手の喜びの号泣ぶりを観てたら、
ころりと「えかったやあねぇ、うんうん」と気分が変わりました。
パジャマがコスチュームだったエキシビションの演技も
すごくコミカルで可愛いくて、のびやかで。
解説の五十嵐さん(フィギアの解説は彼のが一番好き)が
「織田選手の演技は、昔アメリカにいた
スコット・ハミルトンという選手を彷佛させますねえ」
と言ったとき、「きゃ〜ああ、私もそんな気がしてたの!」
とTVの前で「解説」に拍手した私。
いや、技術的なことなんてな〜んにもわかってないんですけど
(未だ、アクセル以外のジャンプの区別がつかない)、
懐かしいスコット・ハミルトンの名前が出てきたのが
嬉しかったんですよ。
フィギアスケートへの興味を伸ばしてくれたのは、
間違いなく、槙村さとるの漫画
『愛のアランフェス』だったと思うんですが、
競技そのものを観て、鳥肌が立つような思いにさせてくれた最初の人が
私にとっては、スコット・ハミルトンだったんですよね。
今思えば、たぶんあれもNHK杯だったと思うんですけど、
夕飯食べながら、母娘二人で、
止まることを忘れた駒みたいな彼の演技に、TVの前で
ぽかーんと口開けて、箸も止まって、釘付けになったのを覚えています。
話は織田選手に戻りますけど、
あのやわらかな体が、実は数年前まですごく固くて
前屈しても地に手が届かないほどだったというのは驚きです。
地道な努力って大切なんだなあ、と感動してしまいました。
でも、何よりあのキラキラした瞳と笑顔が素敵。
きっと、いっぱいファンが出来たことでしょうね。
でも、一方で今期限りで引退という本田武史選手の
ぼろっぼろのコンディションで、終わらせるのがやっとという
感じだった、織田選手とは対照的な演技や終了後のインタビューでの
寂しい表情も印象的で、観ていて辛いものがありました。
本田選手が10代でバーンと出てきたとき、
その初々しさやまっすぐなひたむきさに「この人、応援しなきゃ」
と思ったときの私は、たぶん今回織田選手を観てる気分と
同じものを彼に感じていたんですよね。
時の流れの残酷さを感じてしまった。
最後まで悔いなく滑ってもらいたいなあ、と密かに思います。
女子シングルは、日本人選手それぞれ個性、魅力が違って、
とにかく観ていて楽しかった。
中野選手の安定した、躍動感ある演技も素晴らしかったし
(そしてインタビューでも、彼女はとっても落ち着いた知的な印象)、
ショートプログラム6位からフリーでは1位になった
村主章枝選手の演技も本当に美しかった!
表現力はダントツですねえ。彼女の演技って
筋肉の重みを感じないというか、瀕死の白鳥ってイメージがあります。
安藤美姫選手は、いまいちな調子という感じでしたけど、
まだこれから試合もあるみたいですし。
男子1人、女子3人。
誰が出場権を得るのかも気になるけれど、
誰が行くことになっても、
来年のトリノがすごく楽しみになってきましたぞ。